そばは低カロリーで栄養も豊富なのでダイエットに向いている、そういったことを聞いたことがあると思います。

多くの人が、ラーメンやうどんパスタなど、他の麺類よりもそばの方がヘルシーで、太らないと思っているかもしれません。

では実際のところどうなのか?
この記事で詳しく説明していこうと思います。

そばのカロリー、糖質量、栄養、 GI値、他の麺類との比較、ダイエット効果など、そばについて知りたいことを網羅してありますので、参考にしてみてください。

そばのカロリー

そばのカロリーは、生そばと干しそばで微妙に違います。

100g茹で上がり
生麺274Kcal250.8Kcal
乾麺344Kcal296.4Kcal

文科省:植物成分データベースより

同じ100 gだと干しそばの方が若干カロリーが高いようです。
ただ、干しそばは100g茹でると260gに増えますが、生そばは190gにしか増えません。
このように、茹でた後の 変動量が違いますので、実際にお店などで食べるそば一人前は、干しそば100g 、生そばは大体120gくらいが一般的です。

ですので、実際に食べる場合、生そば一人前のカロリーは、約260Kcalになります。
その場合でも、カロリーが高いのは、干しそばです。

ちなみに茹でる前と茹でたあとは、重量が1.9~2.6倍に増えますが、カロリーは少なくなります。
これは、増えた重量分は水なので水がいくら増えてもカロリーは増えませんが、茹でたときにそば粉などがお湯に溶け出すと、その分のカロリーが減るからです。

茹でたあとの100gのカロリーは、生そば132Kcal、干しそば114Kcalです。

10割そばと5割そばのカロリー比較

そば粉しか使わない十割そばは、カロリーが低いイメージがあるかもしれませんが、十割そばも5割そばもカロリーに大きな違いはありません。

厳密に言うと、ほんの少し小麦粉よりそば粉の方がカロリーが低いので、その分だけ十割そばの方がカロリーが低いのですが、誤差の範囲と言っていいくらいの微差です。
カロリー的にはほぼ同じですが、栄養的に考えると、十割そばの方がおすすめです。
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ところで、十割そばやニ八そばは、そば粉がどのくらい入っているか分かりますが、それ以外のそばには、どのくらいそば粉が入っているかご存知ですか?

裏に表示してある内容成分には、そば粉、小麦粉と書いてありますが、その割合までは書いていませんので知らない人も多いと思います。

答えを言うと、スーパーで売られているそばは、日本農林規格(JAS法)で、最低30%そば粉を使っていればそばとして売っていいと決められていますので、30%以上ということになります。

30%以上ですから当然30%しか入っていないものも多く、健康にいいからと、うどんよりそばを選んだのに、実際には7割も小麦粉が使われていて、栄養価がうどんとそんなに変わらないものも多いということです。

実際の割合は製麺所に問い合わせて聞くしかありませんが、裏に表示してある内容成分に、小麦粉・そば粉の順で表示してあった場合は、小麦粉の方がそば粉より多いということですので、その場合そば粉は5割未満です。

安いそばの成分表示は、ほとんど小麦粉・そば粉の順で表示してあると思いますが、半分近くそば粉を使ってる物は少なく、30~40%の間ぐらいじゃないかと推測します。

ただ、立ち食いそばに比べたら30%でもマシです。

外食店にはJAS法等の法律が適用されないため、おそらく30%もそば粉を使っていません。
10~20%の間ではないでしょうか。

こうなるともはやそばではありません。
ほんの少しそば粉が入ったうどんですよね。

このように、あまり安いそばだと、もはやうどんですので、健康のためうどんよりそばを選ぶ場合は注意してください。
スーパーで買う場合は、十割そばや二八そばを、外食の場合は、ちゃんとしたそば屋さんで食べないと、そばを選ぶ意味がなくなってしまいます。
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そばの種類によるカロリー

カロリー
かけそば350Kcal
ざるそば332Kcal
天ぷらそば458Kcal
月見そば430Kcal
肉そば
484Kcal
山菜そば
357Kcal
とろろそば393Kcal
どん兵衛天そば480Kcal
緑のたぬき天そば480Kcal
40代女性の場合、ダイエット中のカロリーは、1500Kcal程度が目安になると思いますので、どれを食べても1食分のカロリー500Kcal以下に抑えられます。
こう見ると、カロリー的には、そばはダイエット中でも大丈夫だと言えます。

そばの栄養

そばは栄養価が高いと言われますが、実際にどのような栄養成分が含まれているのか説明していきます。

ルチン

そばの栄養で有名なのがルチンです。
そばは長寿食と言われますが、そう呼ばれる理由は、ルチンが豊富に含まれているからです。

ルチンには毛細血管を強くする働きがあり、高血圧などの生活習慣病を予防すると言われています。

また、血液もサラサラになるので、血管事故による脳出血、脳梗塞、心筋梗塞などの予防にも有効です。

さらに認知症予防やアンチエイジングにも効果があることが分かっています。
ルチンの1日あたりの必須量は特に定められていませんが、1日1食で十分な量を摂取できますので、健康のために昼食をそばにするのもおすすめです。

また、ルチンはビタミンCと一緒に摂取すると吸収効率が良くなります。
ビタミンCはピーマン、アセロラ、レモンなどに多く含まれています。

もちろんその場合、十割そばやニ八そばでないと、十分な量を摂取できないかもしれませんので注意してください 。
[voicel icon=”https://xn--fit-jh0i.com/wp-content/uploads/2018/10/yuasa_egao.jpg” name=”栄養士 湯浅”]ルチンも水溶性で、多少茹で汁に流れ出てしまうので、そば湯を飲んだほうがいいです😊[/voicel]

ビタミンB群

ビタミン B 群は代謝ビタミンと呼ばれ、人間の活動をする上で最も重要なエネルギーを作るために欠かせない栄養です。
ビタミン B 群は体内に蓄積されないため、毎日摂取することが必要になります。

ビタミン B 群が不足するとエネルギー不足となり、疲れやすい、体がだるいなどの不調はもちろん、代謝が悪くなるので太りやすくなってしまいます。

また、当然新陳代謝にも影響しますので、しみやしわなどが増えて肌年齢が上がってしまい、実年齢よりも老けて見えてしまうこともあります。

若々しく元気で、美肌を保ち、太りにくくなるためにも、ビタミン B 群をしっかり摂取する必要があります。
そばは、そのための一助になります。

タンパク質

そば粉の成分中、タンパク質はデンプンについで多く含まれています。
含有量は100gあたり10gで、アミノ酸スコアも92とハイレベルです。

これは同じ穀物と比べとても優秀です。
ちなみに小麦粉が100gあたり8g、アミノ酸スコア41。
お米が100gあたり6g、アミノ酸スコア65。

言うまでもなく、タンパク質は三大栄養素の一つで、ダイエット中は高タンパク低カロリー低糖質の食事が理想になりますので、タンパク質が多く含まれるそばはダイエットに向いていると思われるかもしれませんが落とし穴があります。

その理由は、先ほど言ったように、ほとんどのそばは小麦粉が含まれているからです。
小麦粉のタンパク質の含有量は、そば粉より少ないので、十割そば以外のそばは、タンパク質の含有量が少なくなってしまうのです。

まあ、それでも、小麦粉のタンパク質含有量も8gありますから、そこまで大きく減りませんので、あまり大したことではないかもしれません。

それよりも、そば粉のタンパク質が水に溶ける水溶性であることが問題です。

そばは必ず茹でますので、少なからずタンパク質が流れ出てしまうのです。
そば湯を全部飲めば 、全てのタンパク質を摂取することはできますが、現実的ではありません。

ですので、そばが高タンパクかと言うと、そうでもないと言わざるを得ません。
それでも、うどんやラーメン、パスタ、ご飯、パンといった、小麦粉やお米の主食よりタンパク質は豊富です。

食物繊維

そばは水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維には、

などの働きがあります。

その他の栄養

そばはその他にもカルシウム、カリウム、鉄などのミネラルも多く含んでいます。

そばの糖質

健康食と呼ばれるそばですが、糖質を気にする人も多いかと思います。
結論から言うと、そばは決して低糖質ではありません。

「そば粉はなんとなく炭水化物じゃない気がする」
「そば粉も炭水化物だけど、食物繊維が多いから糖質は少ない気がする」

そんな気がしていたかもしれませんが、かけそば1杯の糖質量が約47gもあります。
うどんやラーメン、焼きそばなど、他の麺類やご飯やパンなどの主食と比べると多少糖質量は少ないですが、極端に少ないわけではありません。

ですので、栄養価は高いですが、糖質制限中の人はそばを控えてください。

GI値が低い

そばがダイエットに適している理由の1つに、GI値が低いということがあげられます。
そばのGI値は、54で、これは他の主な主食(精製米84、食パン91、うどん80、中華麺61)に対し、非常に低い数値です。

GI値が低いということは、血糖値が急上昇せず、インスリンの過剰分泌が抑えられますので、脂肪を溜め込みにくくなります。
糖質制限中の人はそばを控えたほうがいいですが、糖質制限していないけど、少し血糖値のことが気になる人は、GI値の低いそばはとてもいいと思います。

うどんとの比較

そばとうどんはよく比較されますのでまとめてみました。

カロリー(100gあたり)糖質GI値どんべい
そば27451.854480
うどん27055.680458

参考:文科省 日本食品標準成分表

そば、うどんともに生麺を茹でずにそのまま100gの数値です。
どんべいは、天そばとかき揚げ天うどんで比較しています。

こう見るとカロリーは、うどんのほうが低いことが分かります。
ただ、比較してそばよりうどんのほうがヘルシーと言えるほどの差はなく、具材一つで簡単に変わるくらいの微差と言っていいと思います。

糖質は逆にそばのほうが少ないですね。
しかし、先ほど書いたように、糖質制限中だとそばもNGですので、これもそれほど差がないと言えます。

それでも、ダイエット中はそばがおすすめです。
なぜなら、血糖値が上がりにくい低GI値の食品であることと、栄養価が高いことが理由です。

ダイエット中の栄養不足を防ぐために、そばかうどんで迷ったらそばを選ぶようにしましょう。
[topic color=”red” title=”ポイント”]

うどんといえば香川ですね。
その香川県、糖尿病の患者数、10万人あたりの死亡率ともに全国トップクラスです。

これを見て、うどんが糖尿病の元凶と言い切るのは少々短絡的ではありますが、多少関係しているかもしれません。

ちなみにご飯1杯とかけうどんなら多少うどんのほうが糖質が多いですが、ご飯だけ食べることはないので、おかずを入れて1食と考えると、ご飯が主食の食事のほうが糖質量が多くなるはずです。
なので、うどんばかり食べてるから糖質量がものすごく多いかと言うとそうでもないようです。

問題は食べ合わせにあるかもしれません。
香川の人は、うどんとおにぎりなど、炭水化物を重ねるひとが多いようで、これが糖尿病に影響しているかもしれません。

ただ、お好み焼きにご飯といった信じられない食べ合わせをするような粉もの文化の大阪は、それほど糖尿病患者は多くないようです。
まあ、大阪人の小麦粉消費量と香川県人の小麦粉消費量が比較できないのでなんとも言えませんが、うどん即糖尿病とは言えない気がします。

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まとめ

そばは、思っているほど低カロリーでもありませんし、糖質も多いのですが、GI値が低いことと栄養が豊富なため、ダイエット中でも食べられます(糖質制限中の人は避けたほうが良い)。

但し、そばは太らないかと言うと、もちろんそんなことはありません。
当たり前ですが、食べる量には気をつけてください。

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